IFPのこれまで、これから
NSA時代(任意団体)
IFPの前身は「Normalization Sports Association」(通称、NSA)という団体から始まりました。当時、大学生であった理事長が、視覚特別支援学校(盲学校)で育った友人や、桜美林大学で心理学を専攻していた友人を集め、任意団体を発足させました。NSAとして初めて実施したイベントは、2002年に行った代々木公園でのオリエンテーリングでした。2003年以降、高田馬場で行ったボーリング大会、東京都障害者スポーツセンターでのフロアバレーボール体験会などがあります。発足当初は、障がい者スポーツを活用しながら、視覚障がいのある方と、障がいのない方との交流が中心でした。
NSA時代、大きな変化があったのは理事長が筑波大学大学院に進学した2004年頃です。活動には、筑波大学で障害科学を専攻する学生が多く参加し、また、関東地区の福祉系の学生も多くスタッフに参加してきました。そうしたことで、視覚、聴覚、運動、精神、発達など、団体として様々な障がいに対応できるノウハウも蓄積でき、障がい種を問わず、クロスディスアビリティな視点も入れながら、イベントができるようになりました。この頃に実施した交流イベントは、障がい者スポーツではなく、レクリエーション的なものでした。例えば、高尾山ハイキング、東京ディズニーリゾートでの交流会、ビストロ料理コンテスト、クリスマスパーティーなど、様々なイベントをやっていました。
また、任意団体でありましたが、内閣府の青年社会活動コアリーダー育成プログラムにスタッフを何人も派遣し、国内外のNPOと交流を進めたほか、地域の福祉教育セミナーの講師を社会福祉協議会から依頼されるなど、心のバリアフリーの最前線を目指した活動を行ってきました。そのため、メディア等でも取り上げてもらったこともありました。
【ラジオ番組での紹介:前編】
【ラジオ番組での紹介:後編】
NPO法人としてのIFP
NSAが活動をはじめてから、およそ、10年が経つ頃、団体は新たなフェーズに移行し、任意団体から特定非営利活動法人になりました。法人格は2011年に取得し、現在の活動に至っています。
NPO法人としてのIFPは、これまで通りの交流イベントや、セミナーの他にも、インターンシップ事業を行い、地域で心のバリアフリーを推進する人材の育成もスタートさせました。
また、スタッフの長所を活かして、調査研究活動も行うようになりました。特別支援教育の専門家と一緒に、ニーズ調査を行うこともありましたし、福祉教育・ボランティア学習学会等で、研究を数多く発表してきました。まさに、実践を科学的な視点から、見直し、様々な交流プログラムを行っています。
【研究実績:査読付き学術論文のみ】
相羽大輔・奈良里紗・益子徹・高濱明日香 (2017) 障害のある人とない人の相互交流に関する授業が受講生の交流自己効力感に及ぼす教育効果の違いについて―支援経験、及び、障害のある人への関心度による影響―. 日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要, 28, 5-16.
井口亜希子・相羽大輔・奈良里紗・高濱明日香・石阪茉未 (2015) 障害者と健常者が共に参加できるアイスブレイクプログラムの開発 : 時間と課題数の工夫がプログラム評価に及ぼす効果を中心に. 日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要, 25, 102-110.
益子徹・相羽大輔・奈良里紗 (2018) 異なる特性を有する援助要請者への大学生の対応方略と対人印象に関する研究―視覚障害条件及び母子条件における比較検討―. 日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要, 30, 5-15.
奈良里紗・相羽大輔・高作朗・大部令絵 (2011) 事前の情報提供が健常者と障害者の共同作業に及ぼす効果―学校教育への応用可能性を目指したNPOの実践報告―. 日本福祉教育・ボランティア学習学会研究紀要, 18, 43-56.