私たちIFPは、心のバリアフリー社会を推進するNPO法人です。

【講演活動】福祉教育の進め方について

【講演活動】群馬県社会福祉協議会での福祉教育セミナー講師

IFPでは、福祉教育やボランティア活動の進め方についての講演活動を行っています。ここでは、2009年と2011年に、群馬県社会福祉協議会が開催している福祉教育セミナーで講演を行った内容をご紹介します。

2009年の講演「地域における福祉教育の進め方」

群馬県社会福祉協議会で行われた福祉教育セミナーで相羽が講演をしている様子

群馬県社会福祉協議会で行われた福祉教育セミナーで相羽が講演をしている様子

2009年は、「地域における福祉教育の進め方」をテーマに、IFP(旧NSA)がどのように障がい者理解を考えているのかを理事長の相羽が紹介してきました。

福祉教育の現場では、よく障がいの疑似体験(アイマスクによる歩行、車いす移動等)が行われていますが、これは、やり方を十分工夫しないと、子どもたちの中に不要な心のバリアを作りだしてしまう危険性のある教育内容であることを指摘した上で、どのように工夫する必要があるのかを話しました。

障がい者は身近な存在だという実感

まず、地域で障がい者理解等の福祉教育を実施する場合には、子どもたちに障がい者は別の世界の人間ではなく、同じ社会で実際に関わる可能性が高い身近な存在だということを実感してもらう必要があります。このためには、単に、障がい当事者が困っている、あるいは、理解してほしいという一方的な講演を行うというよりも、障がいの有無に関わらず、対等に関われたという経験が残せるよう、よく計画された交流を実施することが重要です。

よく計画された交流とは

IFPでは、障がいの有無を問わず、さまざまな人が対等に参加できる交流イベントを実施しているので、その内容の一部をご紹介しました。

例えば、高尾山ハイキングでは、参加者同士の支え合いが重要なので、健常者が一方的に障がい者を支えるのではなく、障がい者同士が支え合ったり、障がい者が健常者を支えるような場面を意図的に作りながら、ハイキングをする工夫を取り入れています。

これを実現するためには、運営サイドが参加者ひとりひとりの「できること」を発見できる必要があります。具体的には、目が見えにくい人でも、聞こえにくい人でも、車いす介助ができるとか、車いすユーザーの人でも、目の見えにくい人にメニューを読んだり、聞こえにくい人に他の人の会話を文字で通訳したりすることができます。こうしたことに、気づき、積極的に役割をグループメンバーに分担できるようなコーディネートが必要です。

また、参加者同士がリラックスして山を登るためには、単に登るのではなく、障がいの有無に関わらず楽しめるレクリエーションを導入することが有効です。IFPでは、以前「王様ゲーム」をしながら、高尾山を登ったのですが、予め、王様の命令は選択式になっていて、誰もがアンコンディションに陥るような罰ゲーム(ちょっと恥ずかしい名札を付ける、あるいは、美味しくないことで有名な栄養ドリンクを飲む等)を準備しました。障がい者の参加者がさらにアンコンディションに陥るところは、若干、ブラックジョークなのですが、それを気楽に笑えるような関係になってほしいという意図がありました。

更に、高尾山はそんなに高い山ではないのですが、初めて出会う参加者同士が協力しながら登る場合は、それなりにストレスもかかってきます。細目に休憩を取ることが重要です。休憩では、トイレに行く人も多いと想定されるので、車いすユーザーの人のためには、利用可能なトイレの場所も把握しておくことが必要となります。

このようによく計画した交流を行うことは、心のバリアフリーを推進するにはとても有効です。

2011年「障がい者理解に活用できる体験学習」

2009年に紹介したような取り組みをしたいと思っても、実際に時間に追われている学校では、交流の準備や実際の交流に十分な時間を割くことが難しい場合があります。そこで、2011年の講演では、相羽と大石の二名で、心のバリアが起こりにくい障がい疑似体験の例をテーマにデモンストレーションを行いました。

視覚障がい疑似体験の例

視覚障がいの理解と称する授業では、見えない、見えにくい人が移動や日常生活で如何に不便さを感じているかを理解させるために、アイマスクを着用した疑似体験がよく行われています。

見えている人間が、いきなり見えない、あるいは、見えにくい状況に陥って感じることは、恐怖や当惑ばかりです。それでは、見えないと「本当に大変だ」とか、「見えない人はこんな状態でよく生活ができなぁ、すごいなぁ」といったように、どこか別世界の人に対する感想だけが残ってしまいます。

IFPでは、こんな感想しか残せないアイマスク体験は扱っていません。アイマスクを使わなくても見えない、見えにくい人の状態を理解する方法はたくさんあるのです。

講演では、そのひとつの方法として触察クイズを紹介しました。

触察クイズのやり方(資料)

まず、子供用のTシャツ(黒色)を準備します。触察クイズということですから、Tシャツの中に何かモノを入れて、触るという行為だけで、中身を当てるというゲームをします。Tシャツは首側と腹側をそれぞれをガムテープで固定します。そして、袖側からペットボトルの飲料等をひとつ入れ、参加者がTシャツの両袖から手を入れて、ペットボトルの飲み物(商品名)が何かを当てるクイズをします。

見えない、見えにくいことで一番不便なのは、「パッと見ただけで瞬時に情報を理解できる」という体験がしにくいことです。見えている人であれば、コンビニに入って、すぐ飲み物のコーナーを探し、パッとみて、欲しい飲み物を手にとることができます。しかし、見えない、見えにくい人の場合は、飲み物コーナーを探し出すことや欲しい飲み物を手に取るまでには、たくさんの商品を手に取ったり、顔を近づけたりして判別しないと、欲しい飲み物を手に取ることはできません。上記のゲームは、このようなことを学んでもらうためのものです。

IFPのスタッフが学校現場でこのゲームを導入するときは、炭酸飲料やお茶のペットを利用しています。子どもたちにはグループを作ってもらい、メンバーに順番でTシャツの中を触察してもらいます。全員が触り終わったら、グループ内で商品名が何かを話し合ってもらうのですが、そのときには、理由もつけて考えてもらいます。

そうすると、「○○だから、△△だと思う。」という回答が返ってくるのですが、この○○だからという情報が、見えない、見えにくい人にとっては重要な情報なんだね。ということも伝えます。

そして、「パッと見てわかることが難しいから、移動したり、読んだり、書いたりすることが見える人と同様にはしにくいんだね」ということを伝えていきます。

このように、アイマスクを使わなくても、視覚障がいの基本特性は理解が可能と考えます。

 

 

 

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