2007-3 聴覚障がい講習会 レポート

聴覚障がい講習会  実施日:2007年3月3日(日)

内容

視覚、運動に続く第3回目の講習会。今回もNSAスタッフの知識と技術を深めることを目的に開かれました。朝10時~夕方5時にかけて、講義・ディスカッション・レクリエーションを交えながら聴覚障がいに関する理解を深めました。夕方18時からはNSAお馴染みの交流会を行いました。

最初の講義では『聴覚障がいとは何か(定義・種類・要因等)』。聴覚障がいにはいろんな分け方があり、同じ障がいを持つ中でも程度や聞こえ方、受けてきた教育や環境、経験でその人のニーズも変わってくることを学びました。その後はグループディスカッション。各グループで『日常生活の中でどういった点に不便があるのか?』を考え、ゲスト(当事者)のへ質問を行いました。【音楽はどうやって楽しむの?】【日本映画はどうやって楽しむの?】等と、ごく些細な日常生活をゲストの口から知ることが出来ました。

午後の講義は『聴覚障がいの情報保障について』。ここで行ったのが疑似体験。手話だけで講義風に話をし、(健聴者にとっては)情報保障がない状態で聴覚障がい学生が授業を受ける時に、より近い状況、架空の世界を作ってそれを体験する・・・・逆を言えば、口話のみの講義で聴覚障がい学生が皆と同様に講義が受けられない状態を体験する、といった感じです。

講義の後は指文字手話を交えたレクリエーション・・・の前に指文字マスタータイム。50音字全てのレクチャーを受けた後、指文字並べ替えゲームと指文字伝言ゲームを行いました。最後の最後まで盛り上がることが出来ました!

講習会終了後は交流会会場へ移動。渋谷駅周辺のレストランにて2時間ほどの交流会を楽しみ、20時に解散。今回も無事にNSA講習会を終えることが出来ました。

感想

講義の内容は大学よりも分かりやすく、学びやすいものでした。

私たちが普段何気なく生活し聞いている音が、聴覚障がい者にとっては不便と感じるということを理解してもらえたのではないかと思います。普段聞けないようなことを当事者に質問してみることで、感じることも多々あったと思います。

私自身、自分はこうだけどあの人はこうなのか、と聴覚障がい者同士でも比較して考えることの出来る良い機会になりました。また、参加者の皆さんが指文字を楽しく学ぶ姿を見ることが出来たのはすごく嬉しかったです。指文字は覚えているだけでとても役立つものであり、立派な報保障のひとつになります。そして、印象的だったのは疑似体験で行った手話のみの講義です。講義が分からない、ということは私自身よくあります。「これは何の話の板書?」「何で皆笑っているの?」その気持ちを常々理解して欲しいと思っていました。参加者からもあれは良かった!との感想を頂いています。

これからの生活の中で聴覚障がい者に出会う機会が出て来ると思います。その時は是非今回の講義の事を思い出してください。これは全障がい者にも言えることですが、一人一人の小さな理解と配慮は障がい者にとってとても大きな支えになります。そのことを胸に留め、今後も講習会で様々なことを学び、知識を深めたいと思いました。

文章・Web作成:NSAスタッフ

※NSAは、NPO法人IFPの前身団体の名称です。


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