カジュアルサポート研修会:アルビノについて

見える障害と見えにくい障害

8月19日のカジュアルサポート研修会では、アルビノという障害を取り上げました。アルビノとは、メラニン色素が身体の中にない、あるいは、わずかしかない状態のことです。

この症状は3つありますが、特に目立つのは、外見の特徴です。アルビノの人間は、メラニン色素がないために、肌の色、髪の毛の色、目の色が白人系の外国人のように白くなり、日本人離れした見た目になります。それゆえに、差別を受けることもあり、見た目の問題に悩む人も多いです。

一方、見た目にはわかりにくい症状として、アルビノは視覚障害(ロービジョン)を持っています。どんな矯正をしても、治療をしても、健常者のようには見えるようにはなりません。また、メラニンが少ないがゆえに、日焼けしやすいという問題も抱えています。

研修会では、これらの問題について取り上げるとと共に、見た目でわかる障害と、わからない障害が世の中にはあるけれども、イベントにいらっしゃるそのような参加者の方に対して、スタッフとしでどのようにサポートできるのかを考えるためのワークショップも行いました。

研修会の感想

インターン 國學院大學文学部外国語文化学科 小川友理

今回のテーマはアルビノでした。
私がアルビノという存在について知ったのはかなり昔で、動物の写真を見て知ったのですが単なる突然変異だと思っていました。その後人間のアルビノがテレビ番組で特集されていたのは見たことはあったのですが、具体的な障害の内容やそれによる問題点などはほとんど知りませんでしたし、IFPの理事長でありアルビノの当事者でもある相羽さんが講師として私の大学にいらしたときも、金に近い白髪がとにかく印象的でした。
アルビノという障害は、見た目のわかりやすさとは裏腹に実際にどういった障害で、何に不便を感じるのかというのはわかりづらいと思いますし、私も深く考えたことがなかったため、今回のセミナーはとても新鮮で学びの多いものでした。私が今回のセミナーを通して学んだことは「アルビノという障害の複雑さ」です。主な症状としては紫外線や光に弱く、まぶしさを感じやすかったり日焼けをしやすいことがあげられるそうですが、視覚や聴覚などの障害に比べ想像や体験がしにくいと感じました。そして何よりもアルビノに対する無知や偏見が一番の問題なのではないかと思います。私自身も今までアルビノの方に出会ったことがなく知識もなかったのですが、もし何も知らないままアルビノの人と関わるきっかけがあったら、誤った見方や接し方をしていたかもしれませんし、アルビノの方が社会で生きる上でも、アルビノによる障害や症状そのものよりも偏見などによる誤解で苦労することの方が多いような気がしました。そういった意味で今回アルビノという障害について正しい知識を得られたことはとても良かったと感じています。
セミナーの最後には「弱視の人でも楽しめるぬり絵」について考えるアクティビティがありました。私はあえて線を薄くすれば正解を気にせず楽しめるのではないか。とか、水ぬりえなら誰でも綺麗に仕上げられるのではないか。など考えたのですが他の人の意見も聞くとipadを使うという案や凹凸を作る案など、私には思いつかない発想がたくさんあり興味深いものばかりでした。そしてつい色々な案を考えることばかりに夢中になってしまいますが、「キレイに出来たと実感できる感覚をもてること」や「子供は何を塗りたいのかを見極めること」など問題を解決する上で考えるべき本質についても教えていただき、楽しく有意義な時間になりました。